【連続シリーズ】素人オヤジが靴作りに挑戦してみた〜初回編〜

靴作りにチャレンジ

ここ最近手作りのモノ作りに対する興味が増し、洋裁を習ったりしておりました。当たり前のことかも知れませんが、実際にミシンを使って生地を加工できることが意外に簡単なのだと言うことに気がつくと(もちろん洋菜は奥が深いのですが・・・)、自分の妄想力に火が付き、不思議と次第にそれが大きくなってくるのです。「靴を作りたい!」というのはなんとなく昔からボンヤリとイメージしていたのですが、インターネットの時代で色々調べていくと、やはり門戸は広く開いていて、私のようなビジネスマンでも通う事が出来る工房があったのです。

工房内の1ショット。沢山の革生地が保管されています。

‎靴工房

今回私がお世話になる工房は都内にある老舗のシューメイキング工房出身の先生。以前はこう言った靴作りを教える教室は都内に4つしか無かったようですね。見学が可能と言うことでお伺いしたのですが、真夏の平日昼帯という時間もあって、生徒さんが1人だけでしたのでじっくりとお話しすることが出来ました。

事前に私の作りたいシューズを伝えていたこともあって、教室も一角に積み重なった生徒さん達の過去作品写真集を見ながら、自分が作りたいシューズを先生のアドバイスを聞きながら絞り込んでいきます。

「アウトドア・スポーツ系のシューズ」をイメージしていたのですが、先生から溢れ出てくる「最初の1足は靴作りを楽しんで欲しい」というオーラが徐々に自分の中に吸い込まれていき、最終的には「革靴」を作ることからはじめることになりました。

と言うことでそのまま入会の申込みを行い、開始日を確認して見学終了となりました。結局、約2時間もお付き合い頂きました。男性の先生は物腰の優しい方で、色々教えてくれそうな感じと、好きな靴を作れると言う点も決め手になりました。

工房の中央に配置された作業台の1ショット。

採寸

と言うことで初日のレポートをお送りします。

まずは自分の足にフィットした靴を作るための採寸です。採寸は先生が行ってくれます。靴下を履いた状態で紙の上に直立し、足の外側に沿って形状を紙に落とします。足の最大幅の輪郭と、着地点をそれぞれマーキングし、さらにそのままの状態からメジャーを使って足の周りを計測していきます。足の内側の3つの場所を軸に足囲を計測する方法は熟練の技を感じるようなもので、ゆるめ、きつめ、ジャストという3つの計測を行い精度を高めていきます。

およそ10分ほどの時間を使って子細にサイズを紙に落とし込みました。ちなみに私の足は日本人の平均的な「幅広甲高」に対抗して「幅狭甲低」ということでした。

左右の足は長さも足囲もバラバラです。

木型選び

採寸から得られた足のデータと今回作る革靴(追ってご紹介します)を踏まえ、木型を選んでいく作業に移ります。下記の写真のように木ではなくて、重量感のあるプラスティック素材で作られたものでも「木型」と呼ぶそうです。木で作られた木型は経年変化で変形の恐れがあると言うことで最近ではプラスティック素材が主流になっているとか(豆知識)。

また、様々な場所で使われている木型は無数に存在し、それぞれのメーカーで特有なモノが使われているようでいわば「秘伝のレシピ」のようなものだそうです。オリジナル木型と思っていても「木型屋」と呼ばれる木型製作元から流出するような可能性もありそうなこと・・・、など、先生はこちらが話を聞くと色んなエピソードを語ってくれて勉強になります。

木型選びは慎重に行いました。


結果的に選択した木型は「5512番」という木型の26.5cm。本来のサイズとしては27.0cmがベストフィットなのですが、靴の形状や足囲などを総合的に勘案して決定しました。

計測データの加工

計測した足型を紙に落とし木型を決定した段階で、次に行う作業は計測データの加工です。踵からつま先を線で結び、足の幅についても補助線のようなモノを引いていきます。紙に落としたものを木型にマーキングして木型の足囲を計測し紙に落とし込みます。さらに、余白の部分には今まで計測した足囲、足幅データと木型の数値の差を算出するなどの計算していきます。

作業途中の足データ。計測したデータはマザーを保管し、コピーした別紙で今回作る木型などのデータを落とし込みます。


この計算によって、木型の調整修復作業が発生する場合も多くあるようですが、私の場合はそのままの木型を生かして進める事になりました。下記の写真は修復した場合の木型の実物です。甲の部分をかなり盛ってますね。大きく盛る場合は一度に厚い皮を張るのではなく、何層にも分けて貼っていく方が良い感じに仕上がるそうです。

この修復作業だけでも結構な時間を取られるのだそうです・・・。

中敷き作成

計測した足データから足型に合わせた中敷きの型を抜いていく作業に移ります。洋裁で使うローラーカッターではなくここからは革包丁の出番です。しっかりとグーに近い形の握りから足型に沿ってカットします。カットしたものをゴムのりで厚紙と合わせて補強し、もう一度足型をくりぬいたら完了です。

うっすらと見える緑色の部分が厚紙です。かなり正確にカットしていきます。


端の部分の仕上げが甘く、先生に手伝って頂きました。革包丁の使い方はこの日一番難しい作業でした。

30年以上のキャリア職人vs靴作り初日の差。先生の手さばきはお見事でした。


ミシン練習

足型の修復がなかったこともあり、初回としてはかなり進みが速かったようで、最後に余った時間でミシンの練習を行いました。「洋裁のミシンより簡単です」との案内通り、かなり遅めのスピード調整もあって楽勝でした。ミシンの経験がなくてもかなり簡単ですので、この練習は誰でもいけるはずです。使っているミシンは「SEIKO」と言う日本製のポストミシンと言われるタイプのものです。

良いモーターを使っているようで機械音がとても静かなミシンです。


ミシンの練習はとりあえず直線縫いだけ。返し縫いなどこれから徐々に教えて頂けるようです。

ひたすら直線縫いの練習。速度調整も初心者向けでスローな設定です。

まとめ

ミシン縫いの練習が終わったところで初日の3時間が終了しました。通常は数人が同時に習う工房なのですが、今回は私1人と言うことで付きっきりの指導を頂きスピード感がありました。靴1足作るのに通常は3〜4ヶ月、1週間に1回(@3時間)を10数回行って完成させるというスケジュール感です。

なお、型紙(パターン)については先生が作ってくれると言うことになっており、その部分については手間が省略されます。

靴作りは細かい行程の積み重ねがこれから続いていくようです。復習の意味も含めてブログに記録することで、自分のものにしていきたいと思っております。連続シリーズでお届けする予定ですので、興味ある方は継続してチェックして頂ければ幸いです。