【ネタバレ】映画「シン・ゴジラ」は見応えのある反戦・反核ヒーロー映画だ!

※ネタバレを含む投稿ですので注意下さい。

映画「シン・ゴジラ」

テーマがキチンと設定、存在している映画は面白いですね。

伝えたいメッセージを理解してそれをキチンと受け止められると鑑賞後に爽快感が残ります。鑑賞中からのめり込んで観てしまった映画「シン・ゴジラ」は確実なメッセージが内包されている映画であって、それを読み解いていくことの楽しみを感じる映画でした。巷で大絶賛されていると言うことで観に行ってきましたが、久々に心地良く見応えのある映画でした。

 

 



 

庵野秀明総監督

私はエヴァンゲリオンを観ていないので、全くこの方の人物像、力量、その他の情報を知ることなく今まで過ごしてきました。噂によると巨匠の域におられる方のようで、そういった監督の映画をリアルタイムで映画館で鑑賞出来ることは幸せなことですね。エヴァンゲリオンへのオマージュ部分への理解は良く分かりませんが、予備知識無く「シン・ゴジラ」を観られることは素直に吸収出来る点で純粋に映画を楽しめると思っております。


 

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序盤〜テンポの速い展開に戸惑うが・・・

とにかく序盤から人物名や肩書き、会議の名称等のテロップやセリフ、展開、画面の切り替えなどなど、非常にテンポが早くて、追いつくのがやっと。というかテロップも読めないほどの瞬間的な処理も沢山。これ、読ませるつもりないな…、と言うことを理解した瞬間「あぁ、完全に主導権を映画側に握られた」と気付かされます。

基本的に映画やドラマって次々に登場する人物をキチンと整理し、ストーリーを吸収していくのが私にとって王道の鑑賞方法なのですが、「シン・ゴジラ」は大きく分類して国家(組織・役人)と個人(良い意味で)の2通りしか登場していないので、とてもシンプルにストーリーを追いかけられます。

細かなでティテールへのこだわり

防衛大臣の小池百合子さんをイメージしたキャスティングと演技には思わず苦笑でした。余貴美子さんの演技、素晴らしいですね!

それから災害時にもかかわらずに差し込まれる日常風景もまたリアルでした。スマホを一生懸命に覗き込んでいる人物群の描写などはもちろん、様々な役者さんが瞬間的にしか現れてこない贅沢な配役なども小気味よくて2度観3度観してしまいそうな謎解き的な要素です。

テーマは反戦と反核(反原発)

本作の主テーマは「反戦と反核」であると考えます。

自衛隊があらゆる攻撃をゴジラに仕掛けるシーンはとてもリアルです。
攻撃兵器の名前がどれも具体的な表記だし、東京で起こっているミサイル発射の映像もリアルで怖くなります。我々が将来戦争を起こしてはならないことを映像を通じてメッセージしています。

日本の攻撃を上回るアメリカの軍事力を表現したり、多国籍軍による熱核兵器を受け入れるシーンなども今後の憲法改正や集団的自衛権などにも警鐘を鳴らしているようです。今まさにこの現実社会で議論されているテーマが描写されていることにリアル感を持ってこの映画と向き合う事になります。

また、同時に核攻撃や被爆線量などの恐ろしさも同時に描かれております。「ゴジラ=神」とするシーンがありましたが、ゴジラ自体が体内で核エネルギーを作るいわば「歩く原子力発電所」であり、神の逆鱗に触れたような暴れっぷり、ゴジラ自体を原子力エネルギーと捉えるような受け取り方は私だけでしょうか?

いずれにしろ、限られた時間の中で英知を集めてゴジラに対応していく様は、まだ解決されていない震災後の核対応に勇気を与えてくれます。

怪獣映画<ヒーロー映画

そして、本作品は怪獣ゴジラの映画ではなく、個人にスポットライトが当たる「ヒーロー映画」として完成されています。
序盤は個人の意見がないがしろにされるシーンが描かれますが、はみ出し者が集まった緊急対策チームのメンバーがそれぞれ個の力を発揮し、個から組織へ、個から世界へと連携していく様子はこれからの明るい未来の日本を期待させてくれます。

最後に

これだけ消費し尽くされたコンテンツに新しい要素や今までにないエッセンスを取り入れ、骨太のテーマでまとめ上げた制作チームの力量は本当に素晴らしいですね。細かい描写やリアルなディテールにこだわった作業は相当な労力の積み重ねだと思います。
残念だった唯一の点は一部のミスキャスト。石原さとみさん、個人的には好きな女優さんなのですが、この映画のこの配役には違和感しか残りませんでした。英語力はさておき、素っ頓狂なキャラ設定も含めて、まとまっているキャスティング陣の中にあって目立ったミスキャストぶりに驚きました。

 

「新・ゴジラ」なのか「真・ゴジラ」なのか・・・、いずれにしろ映画「シン・ゴジラ」は子供向けの映画ではなく、しっかりとしたスクリプトで構成され、明確なテーマ設定が行われている久しぶりに見応えのある日本映画作品でした。「夏休みの子供向け怪獣映画」ではありませんのでご注意ください。子供連れより1人で色々と考えながら観るのがポイントかも知れません。是非是非のオススメ映画です!!